過去の「家づくり雑記帖」

 
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手仕事の道具 その2
2014-12-10
 今回は、前回からのシリーズ、「手仕事の道具 その2」ということで、

 鑿(のみ)を取り上げます。

 鑿(のみ)は、木材に穴を掘ったり、削ったりする道具です。

 一般的に大工さんが使うのは、「追入れ(おいれ)鑿」と「叩き鑿」になります。その他に特殊な鑿もありますが、今回は、この二種類の鑿について紹介させて下さい。

 大まかに、「叩き鑿」は、構造材の加工用、「追入れ鑿」は、造作材の加工用に使用します。

 刃の厚みが違うのですが、構造材のように大きな木材を加工する場合は、刃の厚い「叩き鑿」を、
造作材のように小さい木材の繊細な加工をする場合は、刃の薄い「追入れ鑿」といった具合です。
 
 
 真ん中と右側の画像は、それぞれの鑿を使う当社の二人の棟梁ですが、鑿の柄(鑿を掴む木の部分)の頭の部分を玄翁(げんのうと読みます、金槌のこと)で叩いて加工しているところです。

 よく見ていただくと、玄翁の大きさが違うことがお解かりになりますでしょうか?

 小島棟梁は、繊細な仕口の加工をしているので「追入れ鑿」を「小さめの玄翁」で叩いて加工しているところです。
 阿部棟梁は、桧の土台の加工をしているので、「叩き鑿」を「大きい玄翁」で叩いて加工しているところです。

 ここまで話をさせていただて、改めて画像をご覧になっていただくと、それぞれの棟梁が鑿に加えている力の違いが、想像していただけるかと思います。

 そうです、手仕事の道具は、力の加減で木材を加工していくのです。

 ですから、職人は、加工する材料の大きさ、加工の目的、精度に合わせて道具を選び、目から入る情報に手が的確に反応しながら作業を進めていくのです。

 熟練した職人の作業は、見ていて本当に気持ちの良いものです。

 その理由には、動きに無駄がないことや仕事に集中していることが挙げられますが、
逆にいえば、そうでないと、木材という「もの」をひとつの「カタチ」にして、何かをつくりあげることは難しいのだと思います。

 そして、それらのひとつひとつの作業の積み重ねが、大きな家の完成に結びついてきます。

ですから、作業をする棟梁達は、いつでも真剣です。
 
 今の仕事が、最終的に出来上がるものに影響を与えることをよく知っているからです。
 
 
手仕事の道具 その3
2014-12-24
 今回は、シリーズ第三回、「手仕事の道具 その3」ということで、玄翁(げんのうと読みます)を取り上げます。

 玄翁は、いわゆる「金槌」のことですが、鉄製の頭の小口の一方が平らで、他方が丸みのあるものをそう呼んでいます。

 玄翁の小口のカタチが左右で違っていることは、一般の方は知らない人が多いようなので、少し説明させていただきますが、
 鑿の柄頭や釘頭を叩く場合は、平らな方を、木殺し(木の先端などを叩いて、木を組みやすくしたりすること)や釘うちの最後のひと打ちをする場合は、丸みのある方を使用しています。
 
 ご家庭にある金槌を改めてご覧になっていただければ、納得していただけるかと思います。

 玄翁は、鉄製の頭の目方(重さ)の違いで、その時の作業の内容によって使い分けしますが、前回のブログで紹介したように、
 
 大きい力が必要な場合は、目方の大きい玄翁、小さい力が必要な場合は、力が加減しやすい目方の小さい玄翁といった具合です。

 玄翁は、鉄製の頭と木製の柄に分けられますが、大工さんが道具屋さんで購入する際は、頭と柄を別々に手に入れるのが通常です。
 
 大工さんは、別々に手に入れた、柄(堅木のカシが一般的)を自分の好みの長さや握りの具合を考慮しながら加工して、鉄製の頭に仕込みます。
 
 鑿もそうなんですが、柄の部分は、傷んだら付け替えが可能な道具です。
 
 今は、玄翁もグラスファイバー製の柄にゴムのグリップがついたものもありますが、柄が痛んで折れてしまったら、頭は使えても、柄と一体になってしまっているので廃棄するよりありません。

 古来からある手仕事の道具の良さは、手入れをしながら長く使用できる点にあると思います。
 
 手仕事の道具は、見ているだけでも良いものです。
 
 おそらく、すがたかたちが手の延長のように感じられるからではないでしょうか。
 
 
 
 「手仕事の道具」シリーズは、今回で一旦区切りをつけさせていただいて、また、他の機会に違う道具も紹介させていただければと思います。
 
 
 
 6月にホームページ公開をして、ブログを始めさせていただきました。これからも毎回、何かテーマを決めてお話させていただくカタチで進めさせていただければと思います。
 

 来年は、1月7日に更新を予定しています。
 
みなさん、半年間お付き合いいただきありがとうございました。
 
 どうぞ良いお年をお迎えください。
 

 
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